Tell me !!〜課長と始める恋する時間

近頃、仕事中も課長は常に機嫌が悪い。


もちろん、年度末で何かと仕事が立て込んでるというのもあるけれど、いつも無表情な課長なのに苛々しているのが見てて分かるくらいだ。


この前もちょっとしたミスに対してたった一言「早急に措置を。」それしか言わなかった。目も合わすことなく。


一層、嫌味を言われる方がずっと良い。


あんな風に目も合わすことなく何の抑揚もなく無感情に注意されるくらいなら。


きっと課長にとって私は最早、面倒な存在でしかないのかもしれない。


前に社内の人間と付き合うと後々面倒で嫌だと言ってたしね。


だったら、もう辞めちゃおうかな。


何れ課長はうちの会社を辞めるような事言ってたけど、いつになるか分からないし、それなら私の方が先に会社を辞めたほうが顔を合わすことも無くなっていいのかな。



「桃原さん、大丈夫?何か思い詰めてる?」


私が黙り込んでしまったので、気にして乾くんが聞いてくれる。


「えっ、あっ、うん。ありがとう。乾くん、今日は飲んでるんだね。会社の飲み会じゃこれまで飲むところあまり見なかったから。」


「ん?ああ、入社して雉原さんの下に付いてる時、雉原さんが酔っ払ってとんでもない事しでかさないかってヒヤヒヤして飲めなかったんですよ。その癖が抜けなくて会社ではあまり飲まなかったんだけど。今日はまぁ、良いかなって。それに俺が酔っ払ったら桃原さんが介抱してくれるでしょ?」


と、お酒が入っても爽やかさ溢れまくってる乾くん。