Tell me !!〜課長と始める恋する時間

つい最近の社食でのデジャヴだろうか…








「あのぉ…、他にも空いてる席ありますけど。ここ隅っこで狭いし。」


最近、このシチュエーション凄く多いんだけど。例の二人がいつもの如く私の両隣にいらっしゃるのですが…。


「えっ、良いじゃん。俺、ここでいいです。て言うか桃原さんの隣が良いんです。」


と、癒し系イケメンの乾くんがビールを飲みながらサラッと言えば


「なによ、私が側にいちゃ気に入らないの?」


既に焼酎ロック二杯目を飲み干そうとされている女王様。


そして、この美しいお二人の間に座る平凡を絵に描いたような私。


なんて間抜けな図なのだろう。自分が捕獲された宇宙人のように思えてくる。


それに社員食堂でもそうだけど、この二人を独り占めしているような状況に周りからの視線がマジでキツい…。


今日は定期的に行われるマーケティング部の飲み会の日だ。会社近くの居酒屋の座敷を貸し切っている。


部での飲み会なのでそこそこの人数が集まるけれど、今回は何かと絡む事が多い企画営業部も一緒なので、かなりの規模だ。


大きな仕事が一段落ついたりするとこうして親睦を深める為にも時々一緒に飲み会が開かれるのだ。


なので女王、雉原さんもいるという訳。


そしてもちろん、課長も…。


本当は適当な理由つけて参加するの止そうと思ってた。まぁ、実際、ちょっと体調も悪いし。


課長とワケありでも仕事は仕事と集中してやってきてるけれど、流石に飲み会まで一緒に過ごすのはキツい。


課長の視界に入らぬようにと課長の座る席からは一番遠い端っこにポジションを取り、極力、目立たぬようにと身を潜めているのに。


どうしても課長を自然と目で追ってしまう。


このさっきから無駄にさまよう視線をどこにやればいいのか分からない。


これじゃあ、課長にもバレバレだよね。私がまだまだ課長の事が好きだって事。