「課長の婚約はどうなるんですか?家の為に、援助を受けるために婚約したのに…。結局、会社を取られるなら意味ないじゃないですか?」
そうだよ。
親に受けた恩があるからって婚約を了承したのに。
私だって、課長が選んだ事だからって、もうこれ以上課長を苦しめたくないからって、
だから、
だから、
課長の元から去ったのに…
「桃原さん、大丈夫?顔色悪いけど。」
「えっ、あ、はい。大丈夫です。」
駄目だ。急な話についていけない。かなり動揺している。それにここの所、無理して仕事に集中してたから寝不足続きで頭が上手く回らない。
「まぁ、本当に今回は婚約して援助って話かもしれないけれど、それにしても相手の会社の良い話は聞かないからね。っで、あんたどうする?」
「どうするって、私、ですか?」
「そっ。三鬼を苦しめたくないからって身を引いただろ?あんたが決めた事だから私も何も言わないつもりだった。だけど、事情が変わってきた今、あんたどうする?このままやっぱり黙って見てる?それともーーー」
それともーーー
「私、私はただ、課長には幸せになって欲しいんです。愛情を受けずに育ってきたと言う課長に本当の愛を伝えたい。課長の幸せを心から願っている存在がいるんだって事を実感して欲しい。それだけなんです。」
社員食堂の片隅で愛を叫ぶ私。
いや、小声だから叫んではいないか。
「まさに真実の愛だねぇ、桃原さん。」
「えっ、そんな…私はただ課長を思って…」
突っ込まれてなんだか急に恥ずかしくなってきた。
「とにかくだ、先ずはあのアンポンタンをどうにかしなきゃだね。」
「アンポンタン?」
「そっ、お家の為とか時代劇みたいな事言ってんじゃないわよ。お家よりも大事なもんあるって事、教えてやるわ、この私が。」
一瞬で女王様の周りが凍った気がした。
そうだよ。
親に受けた恩があるからって婚約を了承したのに。
私だって、課長が選んだ事だからって、もうこれ以上課長を苦しめたくないからって、
だから、
だから、
課長の元から去ったのに…
「桃原さん、大丈夫?顔色悪いけど。」
「えっ、あ、はい。大丈夫です。」
駄目だ。急な話についていけない。かなり動揺している。それにここの所、無理して仕事に集中してたから寝不足続きで頭が上手く回らない。
「まぁ、本当に今回は婚約して援助って話かもしれないけれど、それにしても相手の会社の良い話は聞かないからね。っで、あんたどうする?」
「どうするって、私、ですか?」
「そっ。三鬼を苦しめたくないからって身を引いただろ?あんたが決めた事だから私も何も言わないつもりだった。だけど、事情が変わってきた今、あんたどうする?このままやっぱり黙って見てる?それともーーー」
それともーーー
「私、私はただ、課長には幸せになって欲しいんです。愛情を受けずに育ってきたと言う課長に本当の愛を伝えたい。課長の幸せを心から願っている存在がいるんだって事を実感して欲しい。それだけなんです。」
社員食堂の片隅で愛を叫ぶ私。
いや、小声だから叫んではいないか。
「まさに真実の愛だねぇ、桃原さん。」
「えっ、そんな…私はただ課長を思って…」
突っ込まれてなんだか急に恥ずかしくなってきた。
「とにかくだ、先ずはあのアンポンタンをどうにかしなきゃだね。」
「アンポンタン?」
「そっ、お家の為とか時代劇みたいな事言ってんじゃないわよ。お家よりも大事なもんあるって事、教えてやるわ、この私が。」
一瞬で女王様の周りが凍った気がした。



