「連絡頂けて良かったです。ずっと気になってましたので。」
結局、うちの近くのあの公園で待ち合わせる事に。
どこか他の場所でも良かったんだけど、他の場所に行けばその分、課長との思い出の場所が増えてしまう。
もう終わりにするんだから、思い出の場所はここだけで十分だ。
この公園の砂場にでも課長との思い出全て埋めてしまえれば良いのにね。
「この前は話の途中ですいませんでした。走り去るような事をしてしまい大人気なかったです。」
ベンチに並び話すもののすぐ隣に座る課長との距離がとてつもなく遠く感じるのは気のせいだろうか。
「いえ、僕のほうこそ…君を傷付けた。」
よく通る課長の声が静かな夜の公園に響く。
「傷付けたなんて、気にしないでください。本当のことを話して貰えて良かったと思ってますから。」
「そうですか…。」
言わなきゃ、そう思うのに言葉が中々出てこない。
けれど、課長の事を思うとハッキリさせなきゃ。
「課長…」
「なんです?」
「私、課長の事、やっぱり好きです。」
「桃原さん…」
「私、正直言うと最初は課長の見た目に惹かれていました。」
課長は黙ったまま私の話を聞いてくれている。
「だけど、一緒にお仕事するようになって、課長の事、嫌いになりました。」
「えっ?」
私からの予想外の言葉に驚いく課長が新鮮だ。
「だってそうじゃないですか、何かといえばデータ、データ、朝から晩までそればかり。おまけに課長、妥協とか絶対しないし。おまけに氷の様に冷たい視線。良いのは見た目だけで中身、鬼じゃんって思いましたよ。」
「随分な言われようだ。」
大丈夫、私。ちゃんと、話せてる。



