乾くんはまだ納得しない様子だったけど、雉原さんの後押しもあり、その場で課長に連絡を取ってみた。
ーーー話がしたい、とメールすると意外にも早く返信が来て直ぐに会える事となった。
「じゃあ、私、行ってきます。」
雉原さんちの玄関先で見送られる私。
「これ、持ってって下さい。」
と、たこ焼きを手渡される。きちんとパック詰めされていて、それはもう母親の領域だよ、乾くん。
「あ、ありがとう。」
これから別れ話をしに行こうとしている私にたこ焼きを持たせるってどうよ、とは言わないけどね。
「はっはっ、まるで鬼退治に行くのにきび団子を持たせる婆さんみたいだな。」
雉原さん、鬼退治ってなんか違う気が…
「だけど、きっとこれが力をつけてくれますよ。俺と杏香さんからの愛情たっぷり入ってますから。」
「うん、ありがと。」
なんだかんだ言っても、この二人には支えられっぱなしだな。
そうだ。課長との事が落ち着いたら今度は私がこの二人の為に一肌脱いであげよう。
きっといい方向に向かえるように。
私はたこ焼きの入った手提げを抱えると笑顔でその場を後にした。
ーーー話がしたい、とメールすると意外にも早く返信が来て直ぐに会える事となった。
「じゃあ、私、行ってきます。」
雉原さんちの玄関先で見送られる私。
「これ、持ってって下さい。」
と、たこ焼きを手渡される。きちんとパック詰めされていて、それはもう母親の領域だよ、乾くん。
「あ、ありがとう。」
これから別れ話をしに行こうとしている私にたこ焼きを持たせるってどうよ、とは言わないけどね。
「はっはっ、まるで鬼退治に行くのにきび団子を持たせる婆さんみたいだな。」
雉原さん、鬼退治ってなんか違う気が…
「だけど、きっとこれが力をつけてくれますよ。俺と杏香さんからの愛情たっぷり入ってますから。」
「うん、ありがと。」
なんだかんだ言っても、この二人には支えられっぱなしだな。
そうだ。課長との事が落ち着いたら今度は私がこの二人の為に一肌脱いであげよう。
きっといい方向に向かえるように。
私はたこ焼きの入った手提げを抱えると笑顔でその場を後にした。



