少しは慣れてきたかな、ぼっちご飯。


まぁ、これはこれでのんびりと食べることが出来て良いかも。


ずっと、喉が詰まりそうだったからね。


「口に入ってる時に話してはいけません。」
「よく噛んでから飲み込みなさい。」
「箸を振り回さない。」


思い出したらキリがない。


今となってはそれらの言葉が懐かしい。


バレンタインデーの日に課長から愛の告白ではなく衝撃の告白を受け、正直、参ってる。


課長に婚約者がいたなんて…ハッキリ言って二股じゃん。


しかも家のために婿養子に入るとか、江戸時代かっ。


バカじゃないの?今時、そんな人いないよ?いくら育ててもらった恩があるからって好きでもない人と結婚出来る?


おまけに結婚する前に一度、本気で恋愛しておきたかったですって?


人の事、馬鹿にして。


最低だよね。


ほんと、課長なんて男のクズだ。呪いかけてやる。そうだ、足の小指タンスにぶつけろっ。


でもって、骨折だ。


いや、そこまではいいか。


だけど、イターイ思いをすればいい。私が感じているこの痛みに比べればそれくらい…


課長も同じように胸を痛めてくれてるのだろうか。


相変わらずの無表情っぷりに全く表情が読み取れない。


それともそもそも私の事を好きだと言ってくれた気持ち自体、大したことではなかったのかも。


課長にとって今回の事は何てことないのかもしれない。


あの日以来、課長と仕事以外で話すことはない。


バレンタインデーの日、公園から走り去った日に無事に帰れたかどうかの確認と日を改めてちゃんと話したいと言うメールは来たけれど返事はしていない。


その後、社内で何度か課長に呼び止められそうになったけど、私が完全に課長を避けている。


当然、私から連絡することもないし、連絡したところでこれから先どうするというのだ。


どうもしようがないと言うのに。