Tell me !!〜課長と始める恋する時間

結局、私の方から今からでも会えないですかと返信する。


どこにいる？と直ぐに返事が。


場所を伝えると意外にも近くにいるらしく公園まで来てくれることになった。


あんなにも会えるのを楽しみにしていたのに、今は課長の顔を見るのが怖い。


昼間に知らない誰かを助手席に乗せ車を運転する人が課長だったと思い知らなければいけないのかと思うと不安な気持ちで一杯になる。


俯いて自分の足元を見ているとその先に見覚えある手入れのされた靴が視界に入ってきた。


と同時に私の頬に触れる感触。


「ごめん…冷たくなってますね。」


ゆっくりと見上げると待ちわびていた人がいた。


そしてやはり昼間見た光景が課長だったと確信する。


「課長…」


「ごめん…」


「課長…」


「桃原さん…」


「かちょ、ひゃっ」


私の目から涙が一筋溢れたと同時に課長に腕を引かれそのまま胸に飛び込む形になった。


課長の微かに香る柔らかな香りが私の鼻を擽る。


そっか、私、今、課長に抱き締められているのか。


何故か冷静な私がいた。


「課長…どうしたんですか？」


抱き締める理由なんて聞きたい訳じゃない。


何も考えずただこの温もりを感じていたい。


けれど、


私は言葉を止めることが出来なかった。


「今日、誰といたんですか？」