「送って頂きありがとうございました。」
課長の方へ向いてちゃんとお礼を言ってから降りようとしたら
「君のいう距離を縮めるというのを早急に実践化するならばこういう事?」
課長はそう言いながら眼鏡を外すと持ったままその手を私の頬に添えた。
一瞬で体に力が入ってしまうけれど、オフィスでからかわれたみたいに、どうせ肌が荒れてるだのなんだのって言うんでしょ?
私の気持ちを知っててこんな事をするなんてバカにしてる。
だから今度は俯いたりしない。
目も閉じない。
課長の視線から絶対逃げない。
けれどーーーー
初めて見る眼鏡を外した課長の目がとても綺麗でつい見惚れていると
そのままゆっくりと課長の唇が重なった。
「ひぃっ。」
一瞬ではあったけれど間違いなく私と課長の唇は重なって………
目の前には課長の整ったお顔が………
キスした?
私と課長、今、キスしたの?
な、なんで?
唇が離れても課長の顔はまだ近くにあってお互いの視線が絡むけれど焦点が合わない。
すると
「舌も入れるべきでしたか?」
はあ?
「結構ですっ!」
課長はいたずらっぽくニヤリと笑うと「それは残念。」と言い何事もなかったかの様に眼鏡をまた掛けた。
私ばかりがアタフタして目の前で余裕の表情を浮かべる課長が憎らしい。けれどもっと悔しいのはそんな課長にすら胸をときめかせている自分自身にだ。
私はそんな思いを振り払うかのように急いで車から降りて走って逃げた。
課長の方へ向いてちゃんとお礼を言ってから降りようとしたら
「君のいう距離を縮めるというのを早急に実践化するならばこういう事?」
課長はそう言いながら眼鏡を外すと持ったままその手を私の頬に添えた。
一瞬で体に力が入ってしまうけれど、オフィスでからかわれたみたいに、どうせ肌が荒れてるだのなんだのって言うんでしょ?
私の気持ちを知っててこんな事をするなんてバカにしてる。
だから今度は俯いたりしない。
目も閉じない。
課長の視線から絶対逃げない。
けれどーーーー
初めて見る眼鏡を外した課長の目がとても綺麗でつい見惚れていると
そのままゆっくりと課長の唇が重なった。
「ひぃっ。」
一瞬ではあったけれど間違いなく私と課長の唇は重なって………
目の前には課長の整ったお顔が………
キスした?
私と課長、今、キスしたの?
な、なんで?
唇が離れても課長の顔はまだ近くにあってお互いの視線が絡むけれど焦点が合わない。
すると
「舌も入れるべきでしたか?」
はあ?
「結構ですっ!」
課長はいたずらっぽくニヤリと笑うと「それは残念。」と言い何事もなかったかの様に眼鏡をまた掛けた。
私ばかりがアタフタして目の前で余裕の表情を浮かべる課長が憎らしい。けれどもっと悔しいのはそんな課長にすら胸をときめかせている自分自身にだ。
私はそんな思いを振り払うかのように急いで車から降りて走って逃げた。



