だけどそんな気持ちも一瞬にして砕かれてしまう。



「わっ、見て!白雪姫!!」



そこにようやく着付けとメイクが終わった白百合さんの白雪姫が登場。


するとみんないっせいにそちらに目を奪われた。


一気に歓声が上がる。



「す、すごい!!超キレイ!!」


「ワンダホー!なんて美しいんだ!!」


「写真撮らせて〜〜!!」



ただでさえ美人なのに、胸元や腰のくびれが強調された、可愛らしく華やかなフリフリのドレスを着て。


いつもより5割り増しにも8割り増しにも見える彼女はもはや、舞台女優そのものだった。



なによこれ…手の込み方からして違うじゃない。


私なんか真っ黒なのに…!!



だけどのんきな白百合さんは私の姿を見ると、なぜかこちらに話しかけてきた。



「わぁ、有栖川さんの衣装可愛らしくて素敵ね!

小悪魔っぽくて」