二人の小林君


「雨……」

お店から出ると空から雨がポツポツと降り出していて、すぐにざあっと本降りになってしまう。

朝の天気予報では雨の予報じゃなかったから傘を持ってきていない。

このお店から近くのコンビニまではわりと距離があるしどうしようかな……。

お店に戻って雨宿りさせてもらうかコンビニまで走ってビニール傘を買うか。

街の中を走っていたり早歩きをしたりしている人達を眺めながら考える。

……とりあえずお店に戻ろう。

もしかしたら雨が弱まるかもしれないし。

後ろを向いてお店の入り口まで歩く。

自動ドアが開いて中に入ろうとした──だけど、お店の中に見えた人の姿に足が止まった。

「小林君……?」

入り口から少し離れた場所にいる小林君と知らない女性。

楽しそうにしている様子が見えて私はドアからフラフラと後退り。

小林君の姿がドアの向こうになった瞬間、私はまたお店に背を向けて今度は走り出した。

「──好きな人、なのかな……」

あっという間に制服はずぶ濡れ。

だけど女の人とあんなに楽しそうにしている小林君と会って平気でいられる自身なんてないから。

私はコンビニに寄ることもしないまま、ひたすら家までの道を走った。