「ちょっと待ってよ!」

むりやり廊下を歩かされながら、私は声を上げた。

「香那枝はどうしてジャージなの? なんで制服着てないの?」

涼は気にも留めてないふうに前を歩いたまま尋ねてきた。

「は? 制服?」

あきれて答えようとしたが、すぐに涼は、

「ああ、そっか。転校生ってことか」

と、ひとりで納得している。



ようやくたどり着いた場所は、『生徒会室』だった。