生徒会室にはまたしても穂乃果の泣く声だけが聞こえていた。

「というわけで、杏璃には会えなかったんだ」

涼が言うと、穂乃果は鼻をすすりながら何度もうなずいた。

きっと会えないだろう、と予感していたのだろうな。

「仕方ないんです。私が悪いんですから」

「それなんだけどさぁ」

まっすぐに穂乃果を指さす涼。

「え?」


「穂乃果は俺たちに言ってないことあるんじゃね?」