「普通、あんなにぎやかなクラスでさ、周りにわからないようにいじめたりできるものなのかな? それに、今の杏璃。想像よりも気が強そうに見えた」


たしかに今思えば、穂乃果の説明にはどこか不自然な部分があるような気もする。


「この依頼、どうも、しっくりこない。俺たち、どっかで間違えてるんじゃないのかな?」



そう言って、涼はもう開くことのない2階の窓を不機嫌そうに見あげた。