ほんっとに関われば関わるほど、涼って失礼なヤツ。


まぁ、もう慣れたけど。


自分で自分をなぐさめていると、玄関のドアが開いて現れたのは40代くらいの女性。

おそらく杏璃のお母さんだろう。

「すみません。俺ら、杏璃さんの友達なんですけど、杏璃さんいますか?」

スラスラと涼がウソをつくと、お母さんは眉をひそめた。

「いますけど、誰にも会いたくないと言ってるんです。誰が来ても通さないで、と言われてまして……」

と、不安そうに顔を曇らせる。