杏璃の家は2階建ての白い家だった。

あっさりとチャイムを押す涼の後ろに、亜実、そして私が並ぶ。

穂乃果は「勇気がない」と、また泣き崩れたためここには来なかった。

「ねぇ、なんて言うつもりなの?」

涼の背中に尋ねると、振り返りもせずに、

「そんなの分かんねぇよ。テキトーでいいじゃん」

と、めんどくさそうな返事。

「怪しまれないかな」


「やる前からいろいろ考えると老けるぞ。その場の勢いでやればいいんだよ」