「杏璃って子いるじゃん? なんで学校来てないの?」

単刀直入だ。

「へ? ああ、たぶん風邪じゃないのかな?」

隣に座っている子もパックのジュースを飲みながらうなずくと、

「なんか具合悪そうだったし、たぶん寝込んでるんだよ」

と、あっけらかんと言った。


「そっか」

あまりにも涼が簡単に納得するので、私が後を引き継ぐ。

「でも、もう2週間になるでしょう?」


女の子はなぜか、姿勢を正して私を見た。