「はじめは冗談のつもりだったんです。髪を結ぶゴムがダサい、ってからかったんです。でも、それがなんだか楽しくって……。杏璃が嫌がっているのにも気づかなくって。どんどんエスカレートして……」

くちびるをかみしめた穂乃果が私を見た。

「私がいじめたから……。だから杏璃は不登校になっちゃったんです。私が全部悪いんです」


その後は声にならずに嗚咽が漏れた。


いじめ……。


その言葉を頭で繰り返す。