亜実はにっこり笑って、

「ごきげんよう」

と、深く頭を下げた。

「あ、どうも……」

「亜実」

涼が、私の頭をポンポンと叩きながら言う。

「新入部員見つけて来た」

「あらあら」

亜実は少し目を開いて驚いたような顔を見せたが、すぐに涼になにかを耳打ちした。


……なにこの人たち。付き合ってんの?


なぜか疎外感を感じた私のうしろで扉が開く音がした。