ふと、校舎から誰か出てきてこちらに歩いてくるのが見えた。

助かった!! 高村だ!!

いくら高村でもさすがにこの状況は助けてくれるよね・・・

私は先輩に見えないように口パクで《助けて》って合図した。

高村がこっちを見た。

私に気づいた・・はず。

なのに、アイツ!

素通りしようとしてる!!


可愛い女の子が困ってるのに、普通無視する??

いくら私に興味無くたってさ、
ただのクラスメート程度にしか思ってなくてもさ、

冷たいにも程があるわ!!


私はとっさに高村にかけよって腕を取った。

「ごめんなさい、先輩。
私、じつは最近この人と付き合いだしたんです。
だから、先輩とはお付き合いできません」

先輩は露骨にイライラした表情で高村を見た。

「は? このダサい男?」

高村はポカンとした顔をしてる。
まさか自分が巻き込まれるとは思ってなかったみたい。

「そうなんです。私ってちょっと変わった趣味みたいで!

それじゃ、失礼しますね」

私は高村を引っ張って、走って逃げた。