飛鳥「嘘…だろ??」
雷「何言ってんだよタツさん!
トモの娘なわけねーじゃん!!
だってトモの娘は希輝1人だけだろ!?」
京「智軌に写真見せてもらったことあるけど、こんな子いなかったし!!」
…トモが生きてる時、俺たちはトモの子供たちの写真や話を聞いていた。
だから知ってる。
トモの子供は、8歳の息子の'都兎'、3歳の双子の'希輝'と"来蘭"の3人。
その内の希輝はタツさんに頼まれ、四代目の姫になったから対面済み。
そして"来蘭"はトモと姫星さんと共に事故で亡くなっている。
都兎とは一度だけ、トモたちの葬式の時に会った。
…その葬式の時にはこの"子供"はいなかった。
本当に娘なら葬式くらいは出てるはずだし、希輝よりも年上の子供がいるわけがない。
‥‥だから俺たちは否定した。
座ったまま無表情で俯いている"子供"が傷ついてるとも知らずに。
葵絆「あー!もう、お前らちょっと黙れ!!!!」
「「「(ビクッ)」」」
混乱して色々とタツさんに言っていると、唯一何も言わなかった葵絆が声を荒らげた。
目の前で戸惑うタツさんから目線を外し、後ろにいる葵絆に目を向けた。
葵絆「タツさん、この子と知り合いなんだよな?悪いけど今日は俺が預かるから。」
辰巳「え?あ、あぁ。別にいいが、、」
葵絆「それと、タツさん今日来たってことはこれから何もねぇんだよな?なら、この子のこと話して。
一応兄貴と円も呼んどくから、昼前にここに集まって。
んじゃ、俺もう寝るから。おやすみ」
バタンッーー
キレ気味…ってか完全にキレてたけど、葵絆は早口でそう言って"子供"と一緒に幹部室を出ていった。
寝る。っつってたから、恐らく総長室に行ったのだろう。
…そんなことよりも、俺は葵絆をキレさせたことで頭がいっぱいだった。
葵絆は滅多にキレることはない奴で、ブチギレたら志にしか止められないくらいやばいらしい。
実際、俺たちは数年間葵絆と付き合ってて一度もキレたところを見たことないし、俺たちがキレさせたこともない。
だから余計に動揺した。