円「まさか陽向もあの事件の被害者だったとはな…」
京「目の前で自分を庇って姉弟が死んだなら忘れたくもなるよな……。」
ひながここを出ると、ひなの過去に呆然していた全員、我に返って次々と呟いていく。
紫月「あれ、?でもあの火事ってまだ被害者居ましたよね??
確か…死者4名、重傷者1名、軽傷者3名で計8名が被害者だ。って。
陽向の言うことを纏めると、残りの死者2名と重軽傷者のどちらか1名は他にいますよね?」
…そこまで知ってんのか。
まだ一桁の歳だったくせに。
騎士「…なあ、琥珀。まさか…、」
騎士にはもう既にわかったらしい。
何も言わないが、星も、志たちも、予想はついているだろう。
琥珀「……お前らの予想通り。
俺もあの火事の被害者だったってわけ。」
「「「「「「「「「「!!!!」」」」」」」」」」
永遠「…でも、琥珀さんは生きてる。」
久遠「つまり琥珀さんは重軽傷者の1人。
…これは僕の予想ですが、亡くなった2人は琥珀さんの親族じゃないですか?」
凄いな、この双子。
高校生でわかってない奴らもいるのに、頭いいんだな。
琥珀「正解。死んだのはしーとひよ、あとの2人は俺の両親だ。」
…思い出した今となっては、あの光景は二度と忘れられない。
あんな光景は、もう二度と見たくもない。
琥珀「…んじゃ、ひなが戻ってくる前に俺の話をするか。」
琳歌「………大丈夫、なの??」
俺はずっと背を向けていたりゅーたちの方へと向きかえる。
琳歌が心配そうな顔で俺に声を掛けたが、いつまでも引きずるわけにはいかない。
琥珀「心配すんな。どうせもう変えられない"過去"の話なんだから。