琥珀「……で?お前らは'スパイ'のこいつをどうする??
今はやめてたとしても、情報を流したのは事実だろ?解雇するのか?」
誰もが口を開けない中、琥珀は淡々と話を進めようとする。
伊織「っ……。」
今まで熱くなっていた伊織は、琥珀の言葉に泣きそうな顔を隠すかのように俯いた。
陽向「…これは、先代じゃなくお前らが決めることだろ?
彼方、凪、神楽、紫月。」
琥珀「…ずっとここでやって来たお前らしか判断する義理はない。」
陽向と琥珀は俺たち4人を順に確認するように見渡してから伊織に目を止める。
琥珀「伊織、お前は覚悟したんだよな?」
伊織「……(コクン)」
いつになく真剣な琥珀の声に伊織は顔を上げ、ゆっくり縦に頷いた。
そして俺たちの方を向き、
伊織「…俺は、ずっとお前らも先代たちも騙してきた。
今更謝ったって流した情報が元に戻るわけじゃないし、解雇されて当然だと思ってる。
でも、これだけは言わせて欲しい。
俺はスパイだったとしてもここに入ってよかった。毎日がつまらなかった俺に光を差し込んでくれたのは青星だった。
だから、ありがとう。感謝してる」