「しい、椎!」
揺さぶられて起きると、陽はすっかり昇っていた。午前8時。気持ちの良い朝、正月だ。
「おはよう、レイ」
眠っていた僕を揺さぶり起こした張本人にあくびを噛み殺しながら挨拶する。
「おはようございます!…って、違います!」
元旦だというのにぼけぼけ雪の精は怒っているらしい。キンキンな声が寝起きの頭にガンガン響く。
「なんで起こしてくれなかったんですか!」
起こしてくれるって約束したじゃないですか、と怒っている。やはり、昨日想像した通りだ。
「あんなにぐっすり爆睡してたんじゃ、起こしても意味がないと思ってね」
僕が思った通りのことをいうと、レイは悔しそうに黙ってしまった。
反論したくても反論できない、そんな感じだ。
それもそうだろう。僕はありのままの客観的な事実を述べたのだから。
「明けましておめでとう、レイ」
僕はそんなレイに2度目の新年の挨拶をした。
レイはそれまでの眉をひそめていた怖いような顔からパッと明るい顔になった。
「明けましておめでとうございます、椎!」
「今年もよろしくお願いします」
2人声をそろえてお辞儀する。
なんだかそれがとてもおかしくて、2人ともぷっと吹き出してしまった。賑やかな新年の挨拶だ。
「さあ、朝ご飯にしようか」
レイは飛び切り元気な返事をした。
「それでいつ、紗由さんのお家に行くんですか?」
朝ご飯を食べながらレイが言う。
今日は初詣に近所の神社へ行く前に紗由の家に寄らなければならない。
「そうだなあ、10時くらいかな」
僕は時計を見ながら考え込むポーズをした。
「どうして紗由さんは私も呼んだのでしょう?」
「さあ」
おもちを口に運びながら僕は肩をすくめた。
「まぁ、新年の挨拶もしなくちゃいけなかったから丁度いいよ」
「それもそうですね」
レイは首を縦に振った。
「レイ、そろそろ行くよ。準備できた?」
玄関先で靴を履きながらレイを呼ぶ。
「待って下さーい!」
レイは部屋の奥で何やら準備をしているようで、大声で返事を返した。
理由はよく分からないが、部屋の中を縦横無尽にドタバタ走り回っている。
揺さぶられて起きると、陽はすっかり昇っていた。午前8時。気持ちの良い朝、正月だ。
「おはよう、レイ」
眠っていた僕を揺さぶり起こした張本人にあくびを噛み殺しながら挨拶する。
「おはようございます!…って、違います!」
元旦だというのにぼけぼけ雪の精は怒っているらしい。キンキンな声が寝起きの頭にガンガン響く。
「なんで起こしてくれなかったんですか!」
起こしてくれるって約束したじゃないですか、と怒っている。やはり、昨日想像した通りだ。
「あんなにぐっすり爆睡してたんじゃ、起こしても意味がないと思ってね」
僕が思った通りのことをいうと、レイは悔しそうに黙ってしまった。
反論したくても反論できない、そんな感じだ。
それもそうだろう。僕はありのままの客観的な事実を述べたのだから。
「明けましておめでとう、レイ」
僕はそんなレイに2度目の新年の挨拶をした。
レイはそれまでの眉をひそめていた怖いような顔からパッと明るい顔になった。
「明けましておめでとうございます、椎!」
「今年もよろしくお願いします」
2人声をそろえてお辞儀する。
なんだかそれがとてもおかしくて、2人ともぷっと吹き出してしまった。賑やかな新年の挨拶だ。
「さあ、朝ご飯にしようか」
レイは飛び切り元気な返事をした。
「それでいつ、紗由さんのお家に行くんですか?」
朝ご飯を食べながらレイが言う。
今日は初詣に近所の神社へ行く前に紗由の家に寄らなければならない。
「そうだなあ、10時くらいかな」
僕は時計を見ながら考え込むポーズをした。
「どうして紗由さんは私も呼んだのでしょう?」
「さあ」
おもちを口に運びながら僕は肩をすくめた。
「まぁ、新年の挨拶もしなくちゃいけなかったから丁度いいよ」
「それもそうですね」
レイは首を縦に振った。
「レイ、そろそろ行くよ。準備できた?」
玄関先で靴を履きながらレイを呼ぶ。
「待って下さーい!」
レイは部屋の奥で何やら準備をしているようで、大声で返事を返した。
理由はよく分からないが、部屋の中を縦横無尽にドタバタ走り回っている。


