「紗由、警察に電話してくれてありがとう」
おかげで助かったよ、と声をかけると、紗由はにっこり笑ってこう言った。
「あれ、嘘だよ」
「えぇ!?」
3人分の叫び声が響く。
「警察に電話かけた振りをしたの。良かった、あの人達いなくなって」
ユズと顔を見合わせて呆然としていると、紗由はレイに微笑みかけた。
「怪我はない?」
するとレイもこくんと頷いて「ありがとうございます」とお辞儀した。
「怖かったでしょう」
よしよし、と紗由はレイの頭を撫でる。
「あなたのお名前は?」
レイはくるりと一周回って、スカートの裾を持ち、お辞儀をした。
「レイと申します」
にっこり。無邪気に微笑んだ。
「すっごく可愛いね」
妹にしたいくらい、と紗由は笑った。
「私は紗由。よろしくね」
差し出された手をレイはぎゅっと握って、また微笑んだ。
「でも、似てないね」
「?」
レイは首を傾げた。紗由はそんなレイと僕を見比べながら言った。
「確かにな」
ユズは腕を組んで頷いている。
しかし全然分からないと言わんばかりに皆の顔を見渡しているレイ。
一体何を言っているんだ、と不思議そうな顔をしている。
「あなた達いとこ同士なんでしょう?」
紗由の言葉にドキンと心臓が脈打った。
冷汗が流れる。
「いとこ…?」
レイは首を傾げて僕を見る。
いいから話を合わせてと目で訴える。
「そう、ですよ」
レイはにっこりと笑って答えた。
僕はみんなにバレないようにほっと安堵の溜息を吐いた。
「レイ」
そして名前を呼んだ。
「どうして知らない人について行ったりしたの」
レイはびっくりしたような表情を浮かべて、けれどすぐに「ごめんなさい」と謝った。
僕がレイに怒りの感情を向けたのは、これが初めてかもしれない。
おかげで助かったよ、と声をかけると、紗由はにっこり笑ってこう言った。
「あれ、嘘だよ」
「えぇ!?」
3人分の叫び声が響く。
「警察に電話かけた振りをしたの。良かった、あの人達いなくなって」
ユズと顔を見合わせて呆然としていると、紗由はレイに微笑みかけた。
「怪我はない?」
するとレイもこくんと頷いて「ありがとうございます」とお辞儀した。
「怖かったでしょう」
よしよし、と紗由はレイの頭を撫でる。
「あなたのお名前は?」
レイはくるりと一周回って、スカートの裾を持ち、お辞儀をした。
「レイと申します」
にっこり。無邪気に微笑んだ。
「すっごく可愛いね」
妹にしたいくらい、と紗由は笑った。
「私は紗由。よろしくね」
差し出された手をレイはぎゅっと握って、また微笑んだ。
「でも、似てないね」
「?」
レイは首を傾げた。紗由はそんなレイと僕を見比べながら言った。
「確かにな」
ユズは腕を組んで頷いている。
しかし全然分からないと言わんばかりに皆の顔を見渡しているレイ。
一体何を言っているんだ、と不思議そうな顔をしている。
「あなた達いとこ同士なんでしょう?」
紗由の言葉にドキンと心臓が脈打った。
冷汗が流れる。
「いとこ…?」
レイは首を傾げて僕を見る。
いいから話を合わせてと目で訴える。
「そう、ですよ」
レイはにっこりと笑って答えた。
僕はみんなにバレないようにほっと安堵の溜息を吐いた。
「レイ」
そして名前を呼んだ。
「どうして知らない人について行ったりしたの」
レイはびっくりしたような表情を浮かべて、けれどすぐに「ごめんなさい」と謝った。
僕がレイに怒りの感情を向けたのは、これが初めてかもしれない。


