当たり前の一日が始まった。朝食をとって、支度をして、バイク通勤の門衛さんに見送られる。


彼はまだ煥《あきら》先輩の大型バイクを目撃していない。



坂を下りて、コンビニの前で寧々ちゃんと落ち合う。



「おはよ、お嬢!」



寧々ちゃんと会うのが久しぶりのような気がした。


なんだかホッとする。



尾張くんがコンビニから出てきて、おにぎりをパクついて、寧々ちゃんが尾張くんをからかって、何でもない話をしながら学校へ向かう。



「ねえ、お嬢。瑪都流《バァトル》って知ってる?」


「し、知ってるよ、もちろん!」