「石原さん?」
俺は、石原さんに近寄った。
でも、石原さんは、振り返ることなく言った。
「今井くんは、あの人たちと話してていいよ?私、お金払ってくるね」
そう言って、石原さんは俺が持っていたジュースを取った。
「何言ってんの?」
でも、俺は石原さんにジュースを取られる前に石原さんの手を握った。
「じゃあ、俺はこれで」
「あ、はい」
「あ……えっと、カオルさん?でしたっけ。また、転ばないように。じゃあ、さよなら」
俺は、茶髪のボブにそう言った。確か、渉のぶつかった方のカオルって人だったと思う。
俺は、ジュースを左に持って、右手で石原さんを引っ張った。



