「とりあえず、どっか行く?」
「うん!やったー、今井くんとデート!」
「一応班別行動だけどね」
隣でキャッキャッはしゃぐ石原さんを置いてスタスタと歩く俺。
後ろから、「待ってよー」なんて声が聞こえてくるけどそんなもん聞こえないふり。
自分から連れ出しといてこの扱いはどうかと思うけど。
それでも、石原さんはやっぱり石原さんで。
俺といることに苦痛は感じないのか。
あ、好きだからね。
俺の後ろから走って激突してきて、俺の腕に絡み付いてきた。
「暑いんだけど」
「出来たてホヤホヤカップルだからね」
「誰がカップルだ」
そう言いつつも、石原さんに腕を絡められたまま歩き出す俺。
俺の隣で俺の腕にしがみついて嬉しそうにする石原さんが、何故か無性に愛しくて。
思わず、髪を撫でようとして伸ばした手を引っ込める。
危ない、危ない。
こういうのは、ちゃんと自分の気持ちに名前を付けてからじゃないと、変な期待を持たせたら可哀想だからな。



