『おーい、今井くーん!』
なんだ、誰だと思ったら俺の元へ息を切らしながら急いで走ってくる石原さんだった。
少し乱れた髪と、肩で息をしながらもこっちに向ける笑顔がやけに目に焼き付く。
『えへへ、好きだよ』
石原さんは、少し照れくさそうにはにかみながらも、しっかりと俺の目を見てそう言った。その一言が胸の奥にじんわり広がって、心臓が変な音を立てる。
俺も好きだよ、って伝えたい。
簡単なはずのその言葉が、どうしても喉の奥で引っかかる。
もう、待たせないから。
とっくのまに俺は、石原さんのことが……
そう思った瞬間、どこか遠くから響くような笑い声が耳に入り込んできた。
「……きゃははは!」
「何してんだよ〜」
「…………。」
現実に引き戻されるように、俺はゆっくりと目を覚ました。



