俺のことを好きだと言う人はいた。でも、そのどれもが、どこか表面的で、俺の中身なんて見ようとしていなかった気がする。
見ていたのは、外見とか、雰囲気とか、そんなものばかりで。
元カノだっていた。でも、いつの間にか全部がどうでもよくなって、女と関わること自体が面倒くさくなって、気づけば男とばかりつるむようになっていた。
それなのに、石原さんは違う。
こんなにも分かりやすく、こんなにも真っ直ぐに、俺のことを見ている。逃げ場なんてないくらいに、全部をぶつけてくる。
気づけば、俺の中の何かが少しずつ変わっているのが分かる。
「石原さん。俺を好きになってくれてありがとう」
気づいたら、そんな言葉が口から出ていた。
「え……なにそれ。なんかもういなくなりますみたいな」
すぐに変な方向に受け取る石原さんに、思わず苦笑する。
どうしてこういう時だけ、素直に受け取ってくれないんだろう。
俺はどこにもいなくならない。石原さんがいなくならない限り。
だから――できれば、ずっと俺の見えるところにいてほしい。
「俺さ、自分の気持ちわかんないんだよね」
ぽつりと零した言葉。
「え?」
「いや、独り言」
もっとちゃんと伝えればよかったのかもしれない。
でも、まだ怖い。


