「お前、何様?寿のこと、断るとか」




「…………」




さっきのやりとり、矢野も聞いてたんだ?




うっさいなー。




ムシしてるのに、まだひとりでしゃべり続ける。




「調子乗ってんのか?男みたいなお前に声かけるヤツなんて、この先ひとりもいねーから」




それで結構。




なんで矢野に言われなきゃなんない?








「おい、なんとか言えよ」




イスの脚を、ガンと思いっきり蹴られた。




ブチッ!!



あたしの中のどこかで、そんな音が聞こえた気がした。