俺をこんなに好きにさせて、どうしたいわけ?

「全部…あたし。だけど自分でも驚いてる。

女子校のときは、こんなじゃなかった」




「そか。女だけの世界で生きてたからじゃね?」




「…え?」




「この世には、男と女しかいねぇの。なのに、無理にそれを演じようとしてた。

そのバランスが、ただ崩れただけなんだって」




バランスが…崩れた?




きょとんとしていると、矢野があたしのカバンを奪った。









「わっ…なにすんのよ!」




「例えば、こう。これはカバンだけど、重い荷物があれば、男が持つとかさー」




「そ…うなの?」




「例えばな?」




そして今度はカバンを押し付けたあと、あたしを押しのけ道の反対側に立つ。




え、えっ!?




「車道側を男が歩くとか、日々のそーいう気配り?

色々優先されっと、嬉しくね?」