駐輪場に着くまでは足取りも軽かったのに、彼のいる教室へ向かう足が緊張で次第に重くなる。
ふふっ、あの日みたい。
美穂と一緒に、彼が誰かを確かめたあの日。
両方の足が一緒に出そう。
でも、いつものように、一歩ずつ、確実にそこに近づいて
『・・・・・・・』
いない・・・・
彼が、いない。
また、遅刻?
意地悪は言ったけど、悩ますような事は言ってないハズ。
でも・・・・
背中に優しい彼の視線を感じて
ゆっくり振り返る。
廊下の窓から
『よ!』
って、顔を出す彼。
こっちへ来いと手招きをして、私を中庭へ誘導する。

