もし、これがどこかのチームの罠だとしたら?
その可能性は十分に有り得る。
これだけ鳳皇が動いてるんだ。
凛音を捜してる事を知っている連中がいるかもしれない。
どこかのチームが俺達と喧嘩をする為に仕掛けた罠だとしたら、俺達はそんな奴等に構っている暇はない。
今、最優先するべきなのは凛音なのだから。
けど──
「何処に居る」
コイツは凛音の居場所を本当に知っているのかもしれない。
もしそうだとしたら、罠だと疑っていてもそこへ行かなければいけない。
俺達には全く手掛かりがないのだから。
『東條 凛音の居場所は───S県F市』
聞き覚えのあるその単語に、その場の全員が目を見開き、息を呑んだ。
──S県。
そこは凛音の地元。
俺等は凛音が去って行った数日後、凛音の地元がS県だという事を思い出し、早速下の奴等を地元とS県の二つに分けて凛音の行方を捜させた。
けど、S県という事しか知らなかった為、捜索範囲が広すぎてなかなか見つけられなかった。
この男が言った『F市』は、つい数日前から新たに捜し始めたばかりの場所。
コイツ、何故凛音がF市の出身だと知っている?
俺達が知らない情報を知っているという事がこの電話の主への警戒心を強めた。
どういう事だ?
もし凛音が本当にF市にいるのなら、それを知っているのは凛音に近い者だけ。
まさか……。
ふと“アイツ等”の姿が脳裏を過る。
凛音を連れて行った、あの黒髪の男達の姿が。
けれど、それは有り得ないと直ぐに頭を振って打ち消した。
奴等は凛音を無理矢理連れて行ったんだ。
わざわざ俺達に差し出すような真似をする筈がない。
じゃあ、コイツは一体何者なんだ?


