壱、彼方、陽の三人だけじゃない。
下の奴等も凛音を必死になって捜していた。
居なくなった理由も分からないのに、ただ戻ってきて欲しいという想いだけで毎日捜し回っている。
十夜は捜すのを強制した訳じゃない。
皆自分の意思で動いているんだ。
知らず知らずの内に俺達にとってかけがえのない存在になっていた凛音。
一緒に居る時はそれが当たり前になっていて気付かなかったけど、居なくなって気が付いた。
アイツが居ないだけでこんなにも寂しく感じる。
まるでポッカリと穴が空いたみたいに寂しく感じるんだ。
「りっちゃん……何処に居るんだよ……」
ぼそりとそう呟いた彼方に、誰も返事をする者はいなかった。
“何処にいる?”
その問いかけはもう何百回も言ってる。
けど、決して返ってくる事はなく、一方通行で終わる。
──コンコン
ちょうどソファーへ背中を沈ませた時、控えめに鳴った部屋のドア。
「入れ」
「──失礼します」
ゆっくりとドアが開いて部屋に入って来たのは、肩で息をしながら苦しそうに顔を歪めている冬吾。
その表情を見て、瞬時に“何かあった”と思った。
そう思ったのは俺だけじゃないらしく、他の四人もそれを感じ取っていて、険しい表情で冬吾を見ていた。
室内の空気がピンと張り詰める。
「電話が来ました」
「……電話?」
冬吾の一言に全員が顔を顰める。
「何のだ」
十夜がそう聞きながら椅子から立ち上がった。
そしてドアへと歩き出す。
十夜が立ち上がった理由。
それは、冬吾が右手に持っている携帯を十夜に向かって差し出したから。
「知らない男から───
“東條 凛音の居場所を知っている”と」


