「陽……今みんなが必死になって捜してる。お前の分は俺が捜してきてやるから」
彼方が陽の隣に腰を下ろし、陽の頭をポンポンと叩く。
一見余裕そうに見える彼方も、あの日から元気がない。
いつもだったら何があっても顔に出したりしないのに、今は沈んだ顔で陽を慰め、率先して凛音を捜しに出ている。
彼方は凛音を妹の様に可愛がっていた。
毎日構っていた相手が急に居なくなったんだ。
その寂しさは計り知れない。
動いていないとその寂しさに押し潰されそうになる。
だから休む暇もなく捜し回っているんだろう。
「……駄目だ。何の手がかりもない」
項垂れるようにそう発したのは壱で。
壱はパソコンの前に座り、下の奴からのメールを随時チェックしている。
電話だと対応しきれないから、報告は全部壱のパソコンに送らせていた。
指示をするのも全てパソコンから。
朝から晩までパソコンの前から動かずメンバー達に指示を出している。
いつもは落ち着いていて笑みを絶やさないのに、今の壱はその笑みさえ浮かべず、真剣な面持ちで取り憑かれたかのようにパソコンに向かっている。
本当は壱も指示を出すだけじゃなく外へ出て捜し回りたいんだろうけど、下の奴等の管理をするのは壱が一番適任だから仕方なかった。


