「遊ぶんなら後にしろ。先上行くぞ」


『うん』



『また後でね』と皆に手を振って、貴兄と優音、そして色ボケ男と一緒に二階へ向かう。



『みんな元気そうで良かった!』


「アイツ等も同じ事思ってんだろ」


優音の横に並んでフフッと笑うと、優音は肩を竦めてフッと鼻で笑った。



何よ。あたしが無駄に元気だって言いたいの!?



「リンは万年元気だよな。高校生になったんだからちょっとぐらい大人しくなってもいいのに」


『遊大に言われたくないし!遊大こそちょっとは男らしくなったら!?』


「はぁ?じゃあお前は女らしくなったのかよ?ん?俺には女どころか男に見えるけどなー」



優音の向こう側で頭だけひょいっと覗かせてケラケラと笑う遊大。


そんな遊大にカァーと頭に血が昇って、「コノヤロー!」と掴みかかった。



「……お前等、いい加減低レベルな争いやめろよ。どっちもどっちなんだから争っても無駄だろ」


『ちょっ、優!遊大と一緒にしないでよ!』



言っとくけど遊大より男装したあたしの方がよっぽど男らしいっつーの!


「はぁ?こっちこそ一緒にしてもらいたくねぇな!」


優音を挟んであたしと遊大の間にバチバチと火花が散る。