倉庫に足を踏み入れると、即座に降り注ぐ不審な目。


……そうか、今年から入った新入りはあたしを知らないんだ。


知らない人から見ればあたしはただの不審者な訳で。


けど、直ぐに見る目が変わった気がする。


なんでだろう?







「──リン?」


『え?』



懐かしい声に振り返ると、そこに居たのは昔から知っている友達で。


目が合うなり、パアッと満面の笑みを浮かべて「リンが帰ってきたぞー!!」と何処かに走っていってしまった。


『ちょ……!』


まともに言葉を交わさないまま走り去っていった友達に、ただ呆然と立ち尽くす事しか出来ないあたし。


あ、相変わらずだわー。


そんな事を思っていると、走り去っていった方からバタバタと複数の足音が聞こえてきた。


「リーン!!」

「久しぶりー!!」


『ぅわっ!』



瞳を輝かせながら猪の如く突進してくる友人達。


それに驚いてる暇もなく、あっという間に取り囲まれてしまった。


かと思ったら一斉に喋り始めて、凛音ちゃん大パニック。


余程言いたい事があるのか、他人に譲ろうなんて気は全くないらしい。


っていうか、自己主張激しすぎでしょ!


『分かった!分かったから落ち着けって!』



半分パニックになり始めてきた時。



「お前等、リンがパンクしかけてんぞ」



救世主様が登場した。


苦笑まじりに歩いてきたボスの姿に、皆の動きがピタリと止まる。


た、助かった~。

もうちょっと早く助けてよボス~。