Ri.Night Ⅲ




「──待たせたな」


隙間から離れ、身を潜めていると、突然聞こえた男の声。


びっ、くりした……。


直ぐ様二人の方へ視線を戻すと、誰かが向かい側のソファーへと腰を下ろしているところだった。


それを見て思わず心の中で舌打ちする。


もう少し早ければ相手の顔が見えたかもしれないのに。


かろうじて右半身は見えているけど、肝心の顔が貴兄の身体に隠れていて見えない。



……あの男は誰なんだろう?

あの男に会うのが貴兄の言ってた用事?


沸き上がる疑問に比例して眉間にシワが寄っていく。





「──まぁ、座れよ」







………え?


言い放たれた男の声に違和感を感じた。


なんで……?


まるでその疑問に応えるかの様に動き出した貴兄と優音。



「……ぁ…」



二人が動き出した瞬間、あたしは即座に両手を口元へと添え、目を見開いた。


足がふらりと後ろへよろける。


なん、で……?




唇がガタガタと震えだす。


普通に考えたら、絶対のそこに居る筈のない人。


貴兄と一緒に居るなんて想像もつかない人。



アイツが貴兄と一緒に居るなんて、そんな事絶対信じたくない。


……だけど、何度姿を確認してもそこに居るのはアイツで。


あたしの見間違いなんかじゃなかった。



ソファーへと腰を下ろした貴兄と優音のちょうど狭間。


いつ見ても胡散臭い笑みを向けている“アイツ”。



“中田”



貴兄の目の前に居るのは、正真正銘bladeの総長、中田だった。