今日、十夜と両想いだという事が分かったけど、十夜の『獅鷹と和解』という言葉が無ければあたしはまた十夜から離れていたと思う。
謝ったぐらいじゃ両チームの溝は埋まらない。
それは十分過ぎる程分かっていた。
あの優しい貴兄があれだけ拒絶してるんだ。
余程の理由があるに違いない。
それでも、あたしは出来れば獅鷹と鳳皇には和解して欲しいと思っている。
例えあたしが鳳皇との関係を完全に断ち切ったとしても、これから先、両チームが絶対に抗争をしないという確証はない。
両チームに深い溝がある以上、例え小さな火種でもそれが大きな抗争へと発展する可能性がある。それが嫌だった。
あたしは皆に喧嘩をして欲しくない。
怪我をして欲しくない。
ただそれだけ。
だけど、そうは思っていても、非力なあたしではどうする事も出来ないのが現状で。
だから、せめてあたし関連の火種だけは完全に消そうと思った。
これまで幾度となく消してきた鳳皇との火種。
ツラかった。哀しかった。
あたしにはそれしか……消すことしか出来なかった。
だけど、いくら消してもそこから先の解決策が見出だせなくて。
ただ、抗争が起きませんようにと切に願うだけ。
そんな時だった。
暗闇に一筋の光が射し込んできたのは。
それは今日、十夜が獅鷹に和解をしたいと申し出てくれたこと。
どちらか片方が折れれば、もしかしたら和解する事が出来るかもしれない。
あたしは十夜を信じたい。
和解したいと言ってくれた十夜を信じたい。
それに賛同してくれた皆も信じたい。
十夜なら、皆なら、きっと獅鷹との溝を埋めてくれるはず。
ううん。
きっと埋めてくれる。


