「何するのかは知らないけど、危ないことしないでね?」
「……あぁ」
「怪我も──」
「しない」
十夜の手を握る力がまるで誓いを立てるかの様に少しだけ強くなる。
あたしも同じ様に強く握り返した。
「準備はもう出来てる。あとは実行するだけだ」
実行するのみ?
十夜の言葉に眉を潜める。
「俺を信じろ。直ぐに終わらせてお前の元へ行く」
最初の言葉は全く理解出来なかったけど、“信じろ”と言った十夜の言葉に小さく頷いた。
十夜がこれから何をしようとしているのかはあたしには分からない。
実行内容を言わないところを見ると、あたしには口を挟んで欲しくないんだろう。
あたしは十夜が信じろと言うのなら、例えどんな内容であっても十夜を信じるよ。
信じて、待ってる。
「──そろそろ日が暮れてきたな。ここから家まで結構あるんだろ?」
「……うん」
十夜の言う通り、段々と辺りが薄暗くなってきた。
暑かった気温も僅かだが下がり、涼しげな風が頬を掠めていく。
「日が暮れる前に帰らねぇと危ねぇ」
「……うん」
頭上から降ってきた寂しげな声に早く帰れと促される。
けど、その言葉とは反対に繋がれた手はそのままで。
強く握られた手は一向に離される気配がない。
……もしかして、十夜も離れたくないと思ってくれてる?
なーんて、自分の都合のいい様に解釈するあたしはホントおめでたい奴だと思う。
だけど、もしそう思ってくれているのなら凄く嬉しい。


