Ri.Night Ⅲ


「わっ……!」


無邪気に笑う十夜を見ていたら、突然繋いでいた手を引き寄せられて。


予期せぬ行動に流石のあたしも反応が出来ず、加えられた力によって身体が前へと倒れていく。


ゴツン。



「……ったぁ……」


気付いた時にはオデコが十夜の肩へと直撃していて。

直後、ヒリヒリとした痛みがあたしを襲った。


「ちょ、十夜──」


「深く考えなくていい」


「……え?」


「お前から聞きたいのは一言だけだ」


「………っ、」



いつの間に後頭部へと回されていたのか。


大きな手があたしの頭をゆっくりと引き寄せ、胸元へと導く。



「──それだけでいい」



──あたしの耳元に顔を近付け、切なげに囁いた。



……もう、ホントズルい。


ずる過ぎるよ。


一体何回あたしをときめかせれば気が済むの?



“お前から聞きたいのは一言だけだ”



十夜が言ったそれは、あたしが今まで伝えられなかった想い。


伝えたくても伝えられなかった十夜への想い。


溢れる度閉じ込めて、何重にも何重にも鍵をかけた十夜への想い。


その想いを十夜へ伝えられるの?

言葉に出して十夜に伝えてもいいの?


そんな日が、いつか来る?