「──でも、」
触れた瞬間、再び目が開けられ、十夜の漆黒の瞳に見つめられる。
「これは俺が勝手に決意して言ってるだけで、俺の元へ絶対来いと強制している訳じゃない」
「………」
その言葉と共に十夜の右手があたしの頭を優しく撫でる。
「まぁ、無理だと言われても諦めるつもりはないけどな」
そう言うと、口元にゆるりと弧を描きながら少しずつ近付いてきた。
「……ちょ」
今までの十夜からは想像も出来ないような大胆発言のオンパレード。
それに戸惑い過ぎて何の反応もする事が出来ないあたしは、伸ばされた手に簡単に捕まってしまい、全て支配されてしまった。
「逃げるなら好きなだけ逃げろよ」
「………っ」
容赦なく浴びせられるその大胆発言に胸がキュンと音を立てる。
「何処までも追い掛けてやる」
そう言った十夜は掴んだ手をグイッと引き寄せ、
「………んっ」
お前が観念するまでな、と余裕綽々な笑みを浮かべて更に距離を縮めた。
「……と……」
啄むようなキスに段々と羞恥心が煽られいき、身体が自然と後退する。
トンッと冷たい壁に背中が受け止められた瞬間、タイミングを合わせたかの様にキスが深くなった。


