「アイツは幼馴染みだ」
幼馴染み……。
それは、知ってる。
でもそれは十夜がそう思ってるだけでしょう?
遥香さんのあの表情は──
「凛音、聞け」
十夜の射る様な鋭い瞳があたしを真っ直ぐ見下ろす。
その瞳はさっきの表情とは違い真剣そのもので。
「俺はお前を繋ぎ止めておく為、……いや、お前の誤解を解く為に此処へ来たんだ」
誤解……?
「もし、俺がお前よりアイツの方がいいのなら、俺はわざわざ此処へ来たりはしない」
一言喋る度、十夜の眉間の皺が少しずつ深くなっていく。
「お前に誤解をされるのが嫌だった。誤解を解かずにいれば、お前の心が離れていくと思った」
「……十夜……」
真っ直ぐな瞳に一瞬だけ垣間見えた不安の色。
「だから、来た」
不安が宿るその瞳に反し、あたしに告げるその声はさっきと変わらず力強いままで。
だけど、小刻みに震える手は十夜の心を十分過ぎる程表していた。
「……それに、」
それに?
「お前の心がまだ俺にあると分かったから」
ちょ……、いきなり何言ってんの!?
十夜の突拍子もない発言に顔がカァと熱くなる。
「お前があの時、俺達を見て何も反応しなかったら、俺は此処へ来なかったかもしれない」
………え?
それってどういう……。


