Ri.Night Ⅲ



「アイツは幼馴染みだ」


幼馴染み……。


それは、知ってる。


でもそれは十夜がそう思ってるだけでしょう?


遥香さんのあの表情は──



「凛音、聞け」


十夜の射る様な鋭い瞳があたしを真っ直ぐ見下ろす。


その瞳はさっきの表情とは違い真剣そのもので。



「俺はお前を繋ぎ止めておく為、……いや、お前の誤解を解く為に此処へ来たんだ」


誤解……?


「もし、俺がお前よりアイツの方がいいのなら、俺はわざわざ此処へ来たりはしない」


一言喋る度、十夜の眉間の皺が少しずつ深くなっていく。


「お前に誤解をされるのが嫌だった。誤解を解かずにいれば、お前の心が離れていくと思った」


「……十夜……」


真っ直ぐな瞳に一瞬だけ垣間見えた不安の色。


「だから、来た」


不安が宿るその瞳に反し、あたしに告げるその声はさっきと変わらず力強いままで。


だけど、小刻みに震える手は十夜の心を十分過ぎる程表していた。



「……それに、」


それに?


「お前の心がまだ俺にあると分かったから」



ちょ……、いきなり何言ってんの!?


十夜の突拍子もない発言に顔がカァと熱くなる。


「お前があの時、俺達を見て何も反応しなかったら、俺は此処へ来なかったかもしれない」


………え?

それってどういう……。