遊大はまだ遥香さんが鳳皇総長の幼馴染みだという事を知らない。
けど、きっと親しい間柄だという事は気付いてるんだろう。
だから哀しんでるんだ。
この先どうすればいいのか分からないから。
「……上手く、いってたかどうかも分からない」
「……え?」
「凛音が鳳皇と関わっててもいなくても、遥香ちゃんとはどうなっていたか分からないってこと」
「………」
「俺の……片思いだしな」
そう言って、くしゃりと無理に笑顔を作る遊大に胸の奥がギュッと締め付けられた。
その笑顔は全てあたしの為。
全て、あたしの為なんだ。
「……っ、遊大……っ」
ホント、馬鹿だよ。
何で人の事ばかり考えるの?
あたしなんかよりよっぽどツラいくせに。
本当は泣きたい程ツラいくせに。
馬鹿。ホント馬鹿。
遊大の……馬鹿。
遊大に両手を伸ばして、丸まった遊大の身体を横からそっと抱き締める。
「凛音?」
「……遊大。ごめんね。ホントごめん……」
遊大らしくない気弱な発言にどうしようもないぐらい胸が痛んで、遊大の優しさに泣きそうになった。
……どうして。
どうして遊大までこんな想いをしなければならないんだろう。
あたしだけでいいのに。
こんな想いをするのはあたしだけでいいのに。
どうして、遊大までこんな想いをさせるの?
どうして……。


