「……マジ、ビックリした」


「……うん」


「まさかお前が鳳皇と関わっていたとは思わなかった」


「そう……だよね。あたしも鳳皇と関わるなんて思ってなかった……」


「………」


「……最初はね、鳳皇の喧嘩に巻き込まれてあたしが相手のチームに目を付けられたのがきっかけだったの。

相手が諦めてくれるまで守ってくれるって言ったから仕方なく一緒にいた。

その時は獅鷹の事もあったし、直ぐに離れるつもりだった」



話している内に少しずつ蘇ってくる皆との想い出。



「……だけど、皆と一緒に居るようになって、皆を知って……、あたしは、いつの間にかそこに居るのが当たり前になってた。

気が付いた時にはもう手遅れだった」



言葉を紡ぐたび思い出す皆の笑顔に、目頭が熱くなっていく。


唇が震えて思う様に喋れない。



「軽く、考えていたの。獅鷹と鳳皇の事。隣県だし、そんなに関わる事がないと思ってた。寧ろ関わらないと思ってた。

あたしが言わない限り貴兄にバレないと思ってたの。

けど、それが間違ってた。根本から間違ってたの。

本当はもう、あたしの知らない所で獅鷹と鳳皇は関わってた」



此処に至るまで、同じ事を何度も何度も後悔した。


なんで早く鳳皇から離れなかったんだろうって。

離れていればこんなに争う事はなかったのにって。



火付け役になったのはあたし。


これからもきっとこの事を後悔し続けて行くんだと思う。


それが争いを招いたあたしの“償い”だから。