Ri.Night Ⅲ



視界に映るのは人の群れ。

エスカレーターからは一階全体が見渡せて、それはもう集まりすぎだろって言うぐらい人で溢れ返っていた。


繁華街のドラッグストアはいつも人が多い。


安いっていうのもあるんだろうけど、こんなに人が多いんじゃ落ち着いて買い物も出来ない。


まぁ、あたしは人が多くても全然平気なんだけど。


遊大と優音が居なきゃコスメコーナーで色々物色するのに。


……なんて一瞬思ったけど、そう思ったのはほんの一瞬だけで。

今はそんな気分じゃないからさっさと済ませて帰る事にした。


エスカレーターから降りて、足早に歩き出す。


えーっと、シャンプーコーナーは何処だろう?


このドラッグストア来た事がないから、何処に何があるのかさっぱり分からない。


仕方ないから一つ一つの棚に視線を這わせ、チェックしていく。



……あ。あった!


お目当ての商品を見つけ、小走りで駆け寄っていく。


えっと……いつものシャンプーは、っと。あった。これだ。


お気に入りのシャンプーを手に取り、その隣にあった同じメーカーのトリートメントも一つ手に取った。


あとはファンデーションっと。


そう心の中で呟きながら右へ振り向いた時だった。



「十夜ー。私髪の毛染めようかなって思うんだけどどう思う?」


──後方から、そんな女の子の聞こえてきた。