「はぁ………」
何度違うと言っても、全然聞き入れてくれない遊大にこっちが肩を竦めたくなる。
駄目だこりゃ。言うだけ無駄だ。放っておくしかない。
そう思ったあたしは、薬を持ってレジに向かおうとしている遊大に「買いたい物があるから二階に行ってくる」と言って踵を返した。
そう言えば優音は何処に行ったんだろう?
お店に入ってからいつの間にか姿を消していた優音。
まぁ優音だから心配はないけど、取り敢えず電話しておこう。
コール音が数回鳴って、プツッと途切れた瞬間聞こえたのは、「もしもし」という優音の声。
「今何処にいるの?」
そう聞くと、「ワックスコーナー」と返ってきた。
それが真横とも言えるぐらい近くにあって、直ぐそっちへと振り向いたけど優音の姿はどこにもない。
「あたし二階で買いたい物あるから行ってくるね。あ、遊大はレジだから。じゃあまた後で!」
それだけ言って早々と電話を切り、エスカレーターに足を掛ける。
確かシャンプーとトリートメントがもう無かったような……。
あ、ファンデもきれそうだったんだ。
頭の中で要るものをピックアップしながらエスカレーターの手摺りに凭れる。


