………っ、な、に?
何でこんな……。
絡み合った状態で止まる十夜の指先。
普通じゃないその繋ぎ方に胸の高鳴りよりも戸惑いの方が大きい。
十夜は、何がしたいの?
分からない。分からないよ。
全然分からない。
手を振りほどこうにも身体が石の様に固まっていて。
言葉を発しようにも口が開いてくれない。
もう、完全にお手上げ状態だった。
対処しようにも十夜が無言を貫くから対処の仕様がなくて。
ホントにもう、頭の中がグチャグチャでどうしたらいいのか分からない。
せめて何か一言喋ってくれたらこの状態から抜け出せるのに。
だけど、そこはやっぱり十夜だった。
「………っ」
突然絡みついていた指がするりと解かれたかと思うと、代わりに大きな手があたしの手を包み込んで。
言葉ではなく仕種で示す十夜に、胸の高鳴りが最高潮に達する。
「お、送ってくれてありがと!帰るね!」
十夜の温もりに頭が真っ白になったあたしは、気付けば握り締められたばかりの手を振り払っていた。
思考とは反対に機敏に動き出す身体。
振り払ったと同時に足が勝手に走り出す。
けど、それは十夜の手によって簡単に遮られてしまった。


