Ri.Night Ⅲ



「俺も、意味分かんねぇんだよ」


『何が?』


渋った顔で首を傾げる慎を見て、あたしも同様に首を傾げる。



「……さっきさ、来たんだ」


『来た?』


って誰が?


「知らない男が……“此処にリンっていう奴いますか?”って」


『……え?』



此処にリンっていう奴いますか?



「俺まさかそんな事聞かれるなんて思わなくてさ。

だってそうだろ!?“リン”は俺達獅鷹しか知らない。見た事もない奴にそんな事聞かれたら普通驚くだろ!」


同意を求める様にそう言われたけど、あたしは何も応えられなかった。


慎に言われた事があまりにも衝撃すぎて頭が上手く働かない。


けど、どうしても先が気になって、一言だけ問い掛けた。



『……その人って、どんな人?』



思い当たるのはあの五人しか居ない。


獅鷹以外で“リン”を知る人は、あの人達しか居ないから。


『リン?』


誰?誰が来たの?


考えれば考える程分からなくて。

脳内でグルグル回る思考に、まるで同調するかの様に心臓が激しく波打った。


痛みが感じられる程強く鳴り響くその音に平静を保てない。



「どんなって……、キャップ被ってたから顔はハッキリ見えなかったんだよな。確か背はこれぐらいで……」


そう言いながら右手を自分の目の位置に持っていく慎に、鳳皇の誰が来たのか分かってしまった。



慎の身長は170センチ半ば。


鳳皇の中で慎より目線が下なのは彼しかいない。




『なんで……』




──陽、しか。