『ねぇ、慎』
「ん?」
声を掛けた瞬間、慎の身体がビクッと震えたのをあたしは見逃さなかった。
けれど敢えてそこには触れず、身体を反転させて慎の方へと向き直る。
『俺に何か隠してる?』
「えっ!?」
分かりやすいぐらい動揺する慎に確信した。
やっぱり何か隠してるのだと。
『何?何を隠してんの?』
一歩、慎へと詰め寄って、下から探りを入れる。
「な、何もねぇよ!」
『嘘だ。慎は嘘が下手くそなんだよ?俺並みに』
更にズイッと詰め寄って、言えと言わんばかりに睨みを利かせる。
そんなあたしに圧された慎は一歩二歩と後ろに下がっていき、それを逃がすまいとあたしも詰め寄っていく。
『慎、言って?』
菩薩の如くニッコリと微笑むと、ヴッと言葉を詰まらせた慎。
さぁ、早く言え。
言わないと……。
『どうなるか、分かってるよな?』
笑顔を貼り付けたままポキポキと指を鳴らす。
慎も流石にこれにはやられたのか、金魚みたいに口をパクパクさせながら頭を数回、縦に振った。
ったく、どうせ言わなきゃいけないんだからさっさと言ってよね。
なんて、この時は思っていたけど。
聞いた後、無理矢理聞き出した事を後悔した。


